筆の弾力
心法書道では、書を学ぶことでその人間性を学ぶと言っていますが、その精神論を可能にするのにどうしても必要なのが書の基本技術です。
この技術は「用筆」と「結体」の二本柱で、そのうちの用筆において「筆の弾力」をどうやって生み出し、それをどう維持しつつ躍動させて一本の線にしていくのか、これが一番の肝だと思っています。
私のお稽古では、この部分をとことんレクチャーしているのですが、なんとこの本にずばり書かれていました。
元は「精萃図説書法論」からで、メインは筆の弾力に特化していますが、歴代書家の書の精神論までも網羅されており、何度も頷きながら一気に読破しました。
図説 用筆の基本技法 ー筆の弾力をどう覚えるか 森高雲著
筆の弾力を扱えなければ、筆脈はとぎれとぎれになってしまいます。
それでは文字を完成させるというわずかな時間の流れの中で、瞬間瞬間次々に繰り広げられる書き手の心の機微を、全く同じように自分の感覚として体験することができません。
心法書道が目指すところは、臨書によって深層心理を自分に落とし込み、手本の書き手のようなすごい人に自分を引き上げる、それが目標ですから臨書のやり方とそのための基本技術をできるだけ早く獲得してほしい。
そこから先の落とし込みは本人の情熱次第ですが、そこまでの段階に持っていくためのナビゲートが私の役目だと思っています。
精神面、技術面どちらにおいても、うまく言葉にできないところをよくぞここまで言語化と図式化してくれたと驚嘆の一冊、おすすめです。
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