臨書の字の大きさ 心法ここがポイント!
心法では一番好きな一文字を選んで書くことからスタートします。今は、私が選んだ草書という形式故に一つの流れが完結している二文字を一文字と考え、二文字を半紙一枚に書いています。
最初の段階で、全く同じように書くことを目標にして半紙に二文字書いているわけですが、そもそも懐素の草書千字文の一文字は、こんなに大きくありません。実物は小さくて全く同じように書くのなら、小筆で書くのが妥当です。
なぜ小さな字で臨書しないのか?なぜ半紙に二文字という大きさに拡大して書いているのか?
最初の段階において、臨書の字の大きさというのは、実はとても大切です。大きすぎても小さすぎても良くありません。それは、人の脳は半紙に一文字か二文字、このくらいの大きさが一番認識しやすいからです。子供の頃、お習字を習っていた方はきっとそうだったことでしょう、小学低学年の競書課題は、半紙二文字です。それにも意味あるわけです。
その文字を懐素がどう認識して、自らの心理システム、生理システムで書きあげているのか、小さな字ではその情報を吸い取ることも、それを再現することも難しくなります。
そのためまずは、半紙二文字程度の大きさでしっかり見てしっかり再現する、それが自分の脳にインプットしやすい、深層心理に落ちやすいということです。
子どもではないからと最初から四文字くらいで臨書している方、是非、まずは二文字で始めて、書き手との距離が近づいてきたら、字を小さくしていくことをおすすめします。
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