実践!心法書道②

中国で学んだ書の学び方をご紹介していきます。

「心法とは」をご一読いただいて①から順にご覧ください。


3つに絞ってから日々眺めてきました。ずっと字を目で追います。どれも魅力的ですが、いくら見ても飽きない、いつまででも見ていられそうな②懐素「草書千字文」に決定します。

懐素と言えば、「自叙帖」が有名ですが、今の私が惹かれるのはこっちです。

一見したところ、本当に同一人物かなと思ってしまいますが、万一、これが懐素の真筆でなかったとします。

つまり懐素だといわれているだけで、実は別の時代の全く違う人物の作だったとしても、全く関係ありません。

懐素という人物の字を書きたいわけではなく、この「草書千字文」を好きだと思ったわけですから、この書き手との融合を目指す、それを目標にします。

さて、書が決まれば、次は、その中で一番好きな字を探していきます。

千字文ですから、千字あります。大変ですね。でも好きな字は見ていられます。

心法の考え方では、ひとつに決めるとその字の書き手と融合するまで、他の字を書くことはできなくなりますから、本当に自分が好きな字でなければ進めていくのは困難です。

これから実感していきますが、他人から与えられる課題は何一つありません。すべて自分がどう感じて自分がどう反応するのか、自分が決めていきます。

人それぞれ好みがあり、それには理由があります。遺伝子に組み込まれ、代々受け継いだその人特有の文化と、生まれてから様々な経験をして培ってきた美意識が人それぞれ背景としてあります。好きなものを選ぶことは、自分を知る大切なプロセスです。

これからまた楽しい作業です、いいなぁと思う部分にポストイットを貼っていきます。


実際はまだまだありますが、写真のように気になる部分、すべて貼っていきます。

字の右横に鉛筆でその字の楷書を書いていますが、これはわざわざ書く必要はありません。

随分前に書き込まれていたため、そのままにしてあるだけです。

この作業を繰り返し、全部貼り終えたら、貼ったところを順にみていき、その中でも一番好きな字を見つけていきます。

心法書道

人は自然の一部 自らがよりよく成長するために 大自然の理を理解したい 世界の調和は自らの内なる世界の調和から 書道はそれを可能にするとてつもない芸術です

0コメント

  • 1000 / 1000