藝術の秋ですね~ 出光美術館 物、ものを呼ぶ─伴大納言絵巻から若冲へ
出光美術館が入っている帝劇ビルの建て替えに伴い、今年12月でしばらく休館するということで、段階ごとにコレクションが公開されていて、先日観てきました。
書では、伝西行の中務集、仮名の美しさを語れる自信はあまりないのですが、昔からいろいろ見比べたり、折に触れて観ても中務集は、いつもうわぁ、っと私をひきつけます。
そしてポスターにもなっている伊藤若冲、実はあまり好みじゃないのですが、やはり真に迫るものがありますね。
恩師に、絵はそのものの精神まで感じ取って、描くことが大切だと教わりましたが、若冲のリアルな絵画はまさにその域ですよね。
ただ私の好みは、その上で書き手の心象にうっとりできるかどうか、みたいなところで、例えば「奥村土牛」。
現実のようでどこか現実じゃない、シャガールほどではないにせよ、その切り取られた瞬間が、どこか幻想的でそこに身を置きたくなるような、吸い込まれるような魅力を感じる、そんな絵が最近は特に好きです。
今回、一番心惹かれたのは酒井抱一の花鳥図、美しかったなぁ。。。しばらく見入っていたのですが、最後にまた観に戻りました。
美術館でどっぷり疲れてしまう方に、おすすめする観方があります。
昔は私も美術館に行くと、どれもこれもしっかり観て帰ろうとしてどっと疲れてしまっていました。師にその観方は間違っている、頭で理解しようとしてはダメ、さーっと観て、おっ素敵、と心が開いてくる作品が目に留まったら、それだけじっくり観るくらいでいいのだと教わりました。
私はさらに帰り際に、もう一度そこへ戻って目に焼き付けて帰るという感じです。
抱一の画はとにかく素晴らしかったのですが、驚いたのは落款。サインですね。
へんとつくりの間の間隔、縦線の大きなたわみというのか揺らぎというのか。。。
どちらも懐素にも現れる特徴です。
ん~~~空間と揺らぎかぁ・・・
酒井抱一 落款
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