心を開く 心法ここがポイント!
早く同じように書けるようになりたいと、焦ってたくさん書いても結果いいものができない。臨書においてて、大事なことが書く前の準備、「心を開く」ことです。
どうすれば、心が開いてくるのか?
まずリラックスして手本を見ます。いいなぁと感じ、味わいます。どこがどういいのか、口に出すのもいい。
字を選んだ段階で、思い描いた人間像を紙に書いて残しておきますが、常にそれを手本の横に置いておきます。(何日もかけて書いていく間、その都度湧いてきたイメージがあれば、その紙に書き足していきます。見ただけでなく、書いていくことで気が付かなかったイメージが必ずあります。)それを一読します。そんな人って素敵だなぁと感じ入ります。
その書への(=その人物への)あこがれの気持ちを心に充満させます。(よく気を溜めて書け、ということを聞いたことがあるかもしれませんが、私はこういう状態にすることを「気を溜める」ことだと考えます)
そして、私は書き手そのものだとイメージします。つまり私は懐素だと暗示にかけるわけです。懐素になったつもりで、一枚を仕上げます。
とはいえ、この状態にするのに、何かが邪魔してできないことがあります。体調がすぐれないとか、他のことが気になって集中できないとか、周りが騒がしいとか、、、。そういう時は、状態が整うまで待ちます。なぜなら、心が開かず、書き手のことも不鮮明なまませわしなく書き始めても、書き手に近づくことができないからです。
書を書くというのは、単なる腕の運動ではありません。字を書くのは腕ではなく脳です。脳がクリアになっていないと、ただただ心が複雑になり混乱するだけ、書くことがただ雑な作業になって嫌な気分を味わうことになります。
恩師がよく言っていました。「状態を整えて、心が開いてくるまで待ちなさい。ただただ書いていると一生を無駄にしますよ。」
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