実践!心法書道③
中国で学んだ書の学び方をご紹介していきます。
「心法とは」をご一読いただいて①から順にご覧ください。
いいなと思う字に、片っ端からポストイットを張りつけていきましたが、その箇所を何度も繰り返し見返しては一つに絞ります。
ひとつに絞るためにも長時間かけてじっくり眺めてきました。
この段階での懐素の第一印象。
心地よく力が抜けていて風通しがよく、どうだ!と見せつける感というか、やりすぎた感がない。しかし、ただおとなしいというのとは違って、洗練された節度を感じる。
まだ眺めてみているだけですが、こんな印象です。
迷いましたが、この写真の二行目「化」に決定します。
「心法」では、法帖の中から一文字選ぶわけですが、草書の場合、どうしても筆脈が一文字では完結しないので、何文字かをひとかたまりとして選択します。
草書といっても、筆脈のひとかたまりが多数の字にわたって続く場合と、少数の字の場合とがあります。ここでは「化」を選んだので、その前後を鑑み、「化被草木 頼及萬方」をひとかたまりとしてとらえたいと思います。
写真を見ていただくとわかる通り、「化被」が二文字でほぼ気脈が完結していると思われます。
というわけで、まずはこの二文字をひとかたまりとして取り組みたいと思います。
これからしばらくは、半紙に二文字でこれを書いていくわけですが、まず、この部分をコピーしていつでも眺められるよう持ち歩きましょう。
毎日持ち歩くもの、携帯の待ち受けにしてもいいですね。私はそうしています。
先日ようやく咲いたうちのバラの写真の待ち受けを、これに変えました。
さみしいような、うれしいような。。。
時間を割いてじっくり眺めるのも大切ですが、今何時だろうとふと携帯を見たときに、必ず見ることになる、とか、リビングのカレンダーの横に貼って、今週の予定は?とふと見たときに目に入ることになる、といった必然性を狙うのもいいでしょう。
そのくらい身近に懐素を目にするという環境を作ります。
師曰く、「鑑賞することがとても大切。対象を理解しないうちに、ただむやみに書いていては一生を無駄にします。」
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